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2007年9月16日 (日)

温かい心を持つために願う(上)

日本という国そのものが最近少し無神経になっているようにも思います。無神経というと皆様からは、そんなことはありません、我々は音に対し誰よりも敏感であり、隣近所がちょっとでも音を立てれば、騒音と決めつけ包丁を持って抗議に行くような有り様ですとおっしゃるかも知れません。また大学入試などでは、監督のため巡回する先生の足音から、屋根から溶け落ちてくる雪の音までが、受験生の集中力の妨げになると苦情が出ています。そういう意味では神経が非常に細かいと言えるかもしれませんが、私が言おうとしていることは、他人に対する気遣い、自分以外の人間への配慮がないという意味で申し上げているのです。

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例えば電車の中に乗り込んで来る若者のへッドフォンから漏れる音楽、深夜大きな音を立てて車の音楽をガンガン鳴らし走る青年などは、どの時代にもあり得る、若者であるが故の苛立ちや自己主張のひとつとして理解出来ないものではありません。しかしタクシーを待つ人のわざわざ右側に行って先に乗ってしまうような四〜五〇代の大の大人の女性や、行列の途中から強引に入り込んでいく中年の男性。年配者を立たせたままふんぞりかえって電車の座席を一人で占領する若者。お客が無いからと焦りながら車道の中央を走る空車のタクシー乗務員。これらの方々の行為は無神経と言う他ありません。しかしこれはマナーが悪いという範疇で収まるような気もしない訳ではありませんが、公平な白由競争を奨励しながら自らがその特権に甘んじている人の神経はどう考えても正常とは思えません。ましてやそれが正妻がありながら、恋人と同棲していた人物が政府の要職にある方だと聞くと、もう呆れ果てて正常な神経が麻痺していると言わざるを得なくなります。

経済の専門家の著作などによるとこの二十年間で日本における二〇%の最低所得者と二〇%の最高所得者の比率は一六〇倍もの開きが生じていると言います。その加速は特にこの四〜五年著しいように見うけられます。しかもこの恋人と同棲していた大学者様はこのような社会における貧富の差を奨励し、先頭に立って笛を吹いてきた一人であって、彼白身が住んでいた公舎の家賃は、通常の家賃の1/7〜1/10であるそうです。

私は基本的に、公民はある一定の便宜を受けるのは良いと考えております。なぜならば社会に奉仕する人々が物質的、精神的に健やかに暮らすことによって、社会により一層奉仕し、またそのような便宜を受けることで励まされ任務に集中できれば、結果として国民の利益になるだけでなく、多少はそのような旨味があるほうが優秀な人材が国家に貢献しようという気持ちになるのではないかと思います。しかし今回のような1/10の家賃を払い、高所得者としで不自由なく暮らす人間が、目夜汗水たらして働いてきた人々、そして働いている人々に対しては冷酷な競争を押し付けるだけでなく、税制上においても冷血な方針を貫いている一方、大企業や高所得者に対しては環境を好転させる政策を平気で行っていることが無神経そのものであると、私は強く今回憤りを感じた次第です。(続く)

財団法人・修養団発行「向上」(2007年2月号)より転載

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