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2008年1月31日 (木)

国の安全を考える(上)

国家の最も大切な役割の一つは、国民の生命と財産を守ることであることは言うまでもなく、それには国家が安定、安全でなければなりません。そのために通常言われることは、国家の防衛の大切さです。そして更に、国家の防衛を確実にするためには、強力な軍事力が必要とされます。

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私もこの考えを否定する立場にはありませんし、むしろ備えあれば憂い無しという観点から考えると、当然それなりの軍備は不可欠です。しかしどんな巨大な兵力を持ち、最新式の兵器を持ってもそれだけで国は守れません。国を守るということは、ただ国土を保全するというだけではなく、その国の外交、文化活動、伝統の保持、そして国民の生活の向上と維持が同時に保障されるような国策が大切です。そういう意味で近年、日本の国が豊かになったためか、農業及び食料を軽視するような傾向が見られ、私はいささか不安を感じます。

最近では郵政民営化に続き、農協潰しが見え隠れしています。もちろん戦後の食料危機を生き抜いてきた日本の食料確保のために、農協は試行錯誤しながら互助会的精神で国民の食生活に多大な貢献をしました。その過程において、農協は本来の目的を達成したのみならず、大きな力を発揮するようになり、政治に対しても相応の影響力を及ぼす所まで発展しました。

また農協は、このような相互扶助の成果として豊かになり、豊かさゆえ傲慢にもなったことは否定出来ないでしょう。現に私自身、初めて日本人に対し嫌な思いをしたのは、農協の団体が、旅客機内で一杯やったせいか顔を真っ赤にし、片手で爪楊枝を使い、もう片方の手を大金が入っているような腹巻に突っ込みながら、スチュワーデスに「ねえちゃん、ねえちゃん」と呼びかけ、無理難題をふっかける姿を見た時でした。

またアジア各地で昼間から相手の自尊心を傷つけるような買い物をし、香港あたりでは「犬と日本人お断り」の看板まで出され、農協団体は悪い意味で世界的にも有名になりました。

しかしその後、徐々に農家を継ぐ人々が減少し、外国から安い食料が輸入されたり、一方金持ちたちは逆にグルメ志向になって美味しいものばかり求めるようになった結果、地方の過疎化とともに農協の勢いも少しずつ衰えてきています。その上、当時の小泉純一郎氏に代表されるような、都会出身の若手議員が力をつけ、地方出身議員の高齢化とともに力が衰えました。

アメリカや中国などからの圧力により、農産物の輸入も拡大され、農業は営利の立場から見るとますます魅力がなくなってきました。ここがチャンスと言わんばかりに、外圧の方は更に勢いがついています。(続く)

※財団法人・修養団発行「向上」(2008年2月号)より転載

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