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2008年2月28日 (木)

1. 中国は唯一の植民地大国

石平 私は漢民族ですが、漢民族は歴史上、近現代まで、チベットに対してひどい行いをしてきました。チべットから見れば、漢民族に侵略され続けた歴史だったと思います。私は謝罪するような立場にはありませんが、今日は改めてこの場を借りてお詫びしたいと思います。

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ペマ・ギャルポ(以下、ペマ) 石さんの気持ちは非常に有り難いのですが、チベット人はそういうふうには見ていません。チベット人は基本的に仏教の考え方で物事を見るので、「罪を憎んで人を憎まず」なのです。
 大きな歴史という枠で見れば、お互いに様々な禍根を残しています。私は兄を二人、祖母を二人、中国共産党に殺されていますが、それは戦争ですから仕方がありません。
 大事なことはいまだに、この二十一世紀においても植民地を持っている国は中国だけであるということです。一九四〇年後半から五〇年代初めは、独立国が世界中で五十数力国しかない状況でした。
 しかし、第二次世界大戦が一つのきっかけになり、今日ではアジア・アフリカ諸国の植民地だった国が独立国となっています。その後の社会主義の崩壊によって、さらに独立国は増加し、国連加盟国は現在、百九十ニカ国にもなる。
 それなのに、中国だけがいまだに、チベット、ウイグル、満州を植民地としているのです。

石平 そうですね。東ヨーロッパの国々もソ連崩壊によって次々と独立しました。

ペマ 中華人民共和国の地図を改めてよく見てみると、広西チワン族自治区や内モンゴル自治区、寧夏回族自治区など、「〜族自治区」というものがありますが、これらは、かつて中国が一度も物理的に支配したことがない地域です。
 もちろん、宗主権的なものはあったと思います。例えば、チベットの中で政府から圧力がかからないように、中国から肩書きをもらってきて自分の力を誇示するということはあった。しかし物理的な支配というものはなかったのです。
 そういう見方をすると、今の中国の領土の六三パーセントがいわゆる少数民族、チベット、モンゴル、ウイグルで占められている。
 石さんだけではなく、今の中国自身がこのことを直視しなければならないと思います。なぜなら、中国がいちばん騙しているのは中国の国民だからです。

石平 そうなんですよ。

(続く)

□ Will-2008年3月号より転載 □

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