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2008年3月 7日 (金)

9. 中国は噴火寸前

石平 そんな国の東アジア共同体とやらに日本の政治家はすぐ騙される。

ペマ あの騙されている人たちは、市場としての中国を見ているのでしょうが、魚を釣るにはエサがいりますからね。市場はエサです。

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 そもそも昔、日本が言っていた大東亜共栄圏と東アジア共同体とどこが違うのか。

石平 おかしいのは、その同じような東アジア共同体を唱えている中国が、大東亜共栄圏を唱えた日本は悪だとぐちぐちと言っていることですね。
 ところで、チベットの今後はどうなるのでしょうか。

ペマ チベットのアキレス腱はダライ・ラマ法王の寿命です。ですから中国共産党が崩壊するのとどちらが早いかという時間との闘いです。
 今年、法王は七十三歳になられますが、大変お元気です。しかし、法王がおられなくなったら、チベットをまとめ上げ、世界に向けてインパクトを与えることができる人がいなくなります。
 私が中国政府によく言うのは、「ダライ・ラマ法王は問題ではなくて、問題を解く鍵だ」ということです。もし例えば、法王に何かあれば、チベットはインド派ができたり、アメリカ派ができたりとバラバラになります。中国もそれは恐れています。
 それから中国が抱える内部矛盾の問題があります。今までの中国の歴史を見ると、すべて中国は外からではなく、内から腐敗しています。農民問題を中心とする格差問題、軍閥の問題、地方閥の問題があります。チベットやウイグルを押さえるために中国は莫大なカネをかけています。
 チベットに置いている軍隊は公式では二十七万人ですが、実際には正規の軍隊以外も入れると五十万人はいます。それを維持しなければならない。
 これだけのカネをかけていることについて、今、豊かになっている本来の中国にいる人々が、果たして我慢できるでしょうか。なぜ我々の税金でそんなところにカネをかけるのか、という不満が必ず噴き出すでしょう。

石平 では中央政府がこのまま弱体化すると、チベットに軍隊を置いておくこともできないということですね。

ペマ 私は北京政府にはもう選択の余地はないと思っています。まず、除々に民主化していくということです。その場合、いきなり民主化すると大混乱に陥るので、民主社会主義的な要素を取り入れて、除々に民主化する。
 それから、一億人以上の人口がいる国で連邦制を採っていないのは日本と中国くらいです。ですから、連邦制のようなものを実現していくということです。
 これらを行わずに今の体制のままで突き進むと、転覆するしかないと思います。その転覆はチベット人などが起こすのではなく、中国人自身が起こすことになる。それは農民かもしれないし、特定の宗教団体かもしれませんが、チベット人などは後に加勢するくらいの役割でLよう。いつでも火を点ければ爆発する噴火寸前の火山帯のようなものです。

石平 中国経済はもう頭打ちの状態になりつつあります。そして現在、経済成長している最中でも、大量の失業者が出ている。いったん中国の経済が停滞すれば、もっと大量の失業者が出て暴動が起こるでしょう。  
 その時、ペマ先生が言われたようなソフトランディングの方法が一つはあります。しかし、その一触即発の時こそ、まさに大帝国的、ファシズム的になり、周辺諸国になりふり構わず侵略する。それを日本は地政学的に避けることができません。

ペマ 一九七〇年代に中国が外国に留学生を最初に送った時、鄧小平は中国にはたくさんの人口がいるから、千人のうち一人帰ってくればいいと言いました。実際には四〇パーセントの人が帰ってきています。この四〇パーセントの、外の自由な民主主義の空気を吸って帰ってきた人たちが、今、日本で言えば部長クラスになっています。
 中国に何かが起こってこの人たちが中央政府から命令をされた場合、彼らは今までの中国人のようには動かないと思います。また、彼らとネットワークしている海外にいる中国人がいる。日本にもアメリカにも七万人程度いますが、彼らが内部の人たちを養っているので影響力は大きい。
 法輪功を取り締まれという中央政府からの命令に対しても、彼らは一度では動きませんでした。二度、三度とお達しがあってもなかなか取り締まらないわけです。
 中国は一党独裁であっても、このような乱れが出ています。つまり統制しきれていない。これがますます、今後、乱れていく可能性が高い。そうなった時にオリンピック、あるいは万博を一つの境にして、変わると思います。
 いい方向に変わるか、悪い方向に変わるかは、周りの国々も含めて、それぞれがどういうふうに中国に関わるかによって違ってくる。

石平 ペマ先生の言われるように、いい方向に変わる可能性もあります。では誰が中国をいい方向に変わらせるのかと言えば、アメリカと日本です。特に日本の役割は大きい。
 日本は常に「中国が中華帝国的な侵略行為に出るのであればこれを断固、阻止する」という明確なメッセージを出さなければなりません。すでに尖閣諸島の問題で中国の第一歩は出ています。ここで既成事実を作られれば、最後は日本省になってしまうのです。

ペマ 周辺諸国のためにも、日本の役割は大きいと思います。ですから私たちが中国に騙された歴史を教訓にして欲しいですね。

(了)

□ Will-2008年3月号より転載 □

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