« チベットの哀しみ (中) | トップページ | 「チベット大虐殺」でバレた胡錦涛の「思惑」と「誤算」 »

2008年3月25日 (火)

チベットの哀しみ (下)

 権威、いまだ健在

 中国政府は、今回のチベット騒乱を押さえ込んで正常に戻ったと言っているが、実際にしているのほ、戦車を町に巡回させ、公安当局が疑わしい人物を捕まえることだ。これが世界中に知られれぱ、波紋を呼び、問題となるだろう。チベット族の運動の火山帯は活発であり、今後、どういうきっかけで何が起こるかは予想がつかない。そうならないためにも、中国政府は一日も早くダライ・ラマと真剣に対話すべきだ。

Img089    チベット側に、ダライ・ラマが重視する対話などの穏健路線に不満を持っている人がいるのは事実だ。しかし、最終的にはダライ・ラマに逆らうわけにはいかない。ダライ・ラマの権威は、いまだに健在といえる。

 中国政府はダライ・ラマの悪口を言っているが、もしダライ・ラマに何かがあれば、中国政府は交渉相手がいなくなるということを真剣に考えるべきだ。ダライ・ラマの下で問題を解決できれば、後遺症を残さない軟着陸が可能だ。 

 ただ、中国側との話し合いがうまくいっていないのは、中国指導部のなかに完全に強い人がいないためだ。これまでの話し合いのなかで、かなり具体的な話はできているが、それを実行するには決断が必要だ。その決断ができないから、話し合いを引き延ばしたりするのではないか。 

 もしかすると、中国指導部は現場の状況を把握していないのかもしれない。胡錦濤総書記(国家主席)は昨年秋の中国共産党大会で2期目を迎えたが、彼が力を持てば、チベット情勢は変わるかもしれない。 (了)

※ 産経新聞 2008.03.22付より転載

|

« チベットの哀しみ (中) | トップページ | 「チベット大虐殺」でバレた胡錦涛の「思惑」と「誤算」 »

チベット問題とは何か」カテゴリの記事