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2008年7月12日 (土)

中国崩壊寸前! 対談 石平×ペマ・ギャルポ (3)

中国にひれ伏す日本政府

石平 今回、これが中国の少佐じゃなくてミャンマーの少佐だったら、日本政府はすぐには動いていませんよ。日本では、中国といったら、みんながもう「ハハーッ」という感じです。日本政府にとって、中国は「中国様」ですよ。ですから、一少佐のひと言でも、ありがたく、ありがたくいただく……もう国家の体をなしてないですよ。
 一方、中国は、国内のいろんな反発があって、まずいと思った途端に、日本政府の立場を、完全に無視した。「要請はなかったのにお前たちが勝手にやってる」と。要するに、いつも、徹底的に馬鹿にされるのは日本の方なんですよ。
 でも、一番悪いのは、中国の代弁者になっている日本のマスコミです。日本のマスコミというのは、昔、平手打ちをされていた人間が、ある日、平手打ちされなくなったことに感激するようなことをやっている。つまり、馬鹿にされながら感激する、というのが、日本のマスコミです。「昔、十回くらい平手打ちされたが、今回は一回だけ、おお、うれしい」。情けないですね。しかも、中国政府はね、今回の自衛隊派遣の件で日本のマスコミを批判する時は、まず朝日新聞を挙げて批判する。朝日が変な報道したからこうなったとね。

ペマ 産経なんかは、批判しても動かないけど、朝日はちょっと批判しただけでビビって、すぐ報道してくれますからね。

石平 そうそう。読売、産経、朝日、など日本の媒体が自衛隊機のことで大騒ぎしているが、これは事実無根であって、我々は関係ない、と。朝日も悔しいでしょう。ご主人様からムチで打たれちゃって。いつもあれだけ一生懸命中国を褒め讃えているのに。

高まるチベットの不満

編集部 日本の新聞でパタッと報道が止まったチベットは今どんな状況なんでしょうか。

ペマ 一時的な現象として、地震の方に関心が移ってしまったけれども、こちら側に入って来る情報では、地震の間でも、チベットでデモはあったらしいですよ。民衆の反感は、むしろ増していると思いますね。
 そして、どさくさ紛れに、チョモランマも登ったでしょ。あれも、中国人は高い所に登れないから、現地で募集したら、チベット青年会議から戻った青年二人が入って来て、捕まってしまった。そして、チベットの聖火リレーは、結局ラサだけで終わって切り上げちゃった。要するに不成功です。
 もし、今回、ナパ周辺のチベット地域に対しての明らかな差別というものが、世界中にもっとわかるようになれば、いよいよ批判は高まると思いますよ。それと、サプリメントやクスリとかでも、日本では検査等で通らないものを、ウイグルとかチベットで作らせている事が、これをきっかけに表に出てくるんじゃないかと思います。

編集部 それは、日本に輸入されているんですか?

ペマ テレビショッピングなんかで、売ってますよ。ウイグルには日本の大手製薬会社が進出しています。最近はみんな、中国の食べ物なんかは買わないのに、中国のサプリメントには無警戒です。
 チベットとウイグルの国境の子供たちには、血痰(?)が沢山出るようになって、びっくりするようなこともあったんですよ。

編集部 胡錦濤が日本にやってくる前に、チベットと一回目の対話をしましたけど、その後どうですか?

ペマ 当初、中旬に対話すると言うことだったんですけれども、地震で、少し遅らせて、今月中に第二回目の対話をする、ということです。チベット亡命政府も、これは一応意味のあることだと言っています。
 私も、世界の人たちにチベット問題に関心を持ち続けてもらうという意味では、対話する意味はあると思いますね。ダライ・ラマ法王は、この前捕まった千人以上の人たちの釈放と、負傷した人たちに対する医療を継続的に要求していくということを仰っているようです。
 それから、一部のマスコミでは、法王がオリンピックに招待されるんじゃないかということだったんですけれども、余りにも時間が短すぎるんで、それは、ないんじゃないでしょうか。

石平 中国政府の中で、そういう提案があったとしても、恐らく自衛隊機と同じでたちまち潰されるでしょうね。

“狼”を五輪に呼べるのか

ペマ 実は、向こう側は脈を見ている。今回、ダライ・ラマ法王の甥ごさんに向こう側から話があったことを、甥ごさんがマスコミ相手にしやべってる。甥ごさんにそういうことを言った人は、中央民族委員会の副主席かそのレベルの人ですから、これは、中国は脈を見ていると思うんですよ。世論がどういう反応を示すか、チベットはどう反応するか、で、それによって、自分たちは、何を得するか。」応そういう球を投げて大きなニュースにして、世論に対して脈を見てやろうという、その程度だと思います。

石平 それは、実現できないでしょうね。チベットの鎮圧をやったのは、三月。四月の時点で、中共はダライ・ラマは「狼の皮を被った悪者、一番の黒幕、一番悪い奴」と、宣伝機関を通して毎日非難した。なのに八月に法王様が北京にいらっしゃるなんてことは出来ない。あれは、最初にダライ・ラマ法王を「黒幕」だと糾弾した時点で、対話の道は完全に閉ざされたんですよ。
 今度、胡錦濤がいくら対話したくても、中国人民にはもう説明できない。人民は「あいつは狼だろう、狼が北京オリンピックに来た」と言い立てますよ。中国共産党は、ダライ・ラマ法王という世界的に尊敬されている指導者、宗教家をあんな風に最初に罵ってしまい、大失敗しましたね。

ペマ 人民日報とか、新華社までがやってしまってるでしょう。世界の世論に対しては、対話をしているということを言っても、実際は、鵜飼の鵜の首を絞めてるのと同じですね。

石平 恐らく、対話の姿勢は、オリンピックまででしょうね。オリンピックが終わってから、中国政府が対面するのはチベット問題だけじゃないですよ。チベットも一つの爆弾、四川大地震から発生した問題、一千万単位で、家が潰れて、家に帰れない人々、不便な生活を余儀なくされている人々、子供を亡くした親たち、みんな黙っていられないですよ。これから、いろんな動きが出てくる。
 六月一日、田原総一朗さんの番組、テレビ朝日のサンデープロジェクトに崔天凱駐日大使が出てました。最後に、彼が言ったことがすごく面白い。「中国は改革政策から、三十年が経過したことで、様々な変化を遂げてきており、今は、これまでなかったようなことが起きている。今後、予測不可能なもっと激しい変化がおこり、多くの困難や問題に直面するだろう」
 かなり、正直に言っていた。僕が見た中国政府関係者であそこまで率直に言った人はいません。そういう意味では、崔大使は誠実な人だと評価してもいいと思います。要するに、内部も危機感を持っているんですよ。

ペマ 予測不可能な激しいことが起こるということは、どういうことでしょう。

石平今の状況だと、オリンピック後、まず経済的困難が出てきます。バブル経済が崩壊して、そこから連動し、社会的困難、そして政治的問題が出てくる。
 震災後、「中国青年報」という新聞の五月二十九日号に、「今回の大地震が、不動産バブルに致命的なとどめを刺すことになるだろう」ということが書かれていた。
 今の中国で、不動産をやっている投機目的の人は、不動産の価値が永遠に下がることがないと思っている。それが、今度の地震で「そうじゃない、地震が一回起きたら、不動産の価値はもうなくなるんだ」とみんながわかった。 (続く)

※ 『WiLL』(2008年8月号)より転載

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