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2008年7月 8日 (火)

福田首相よ、洞爺湖サミットでこう言え!

チベット問題は現代国際社会の縮図です

 福田首相に対してお願いしたいことは、まず何よりも議長国として体力と精神力が相当消耗すると思うので、健康に留意し、できれぱ数日間お寺にでも籠もってゆっくりと瞑想し、ご自分の精神と肉体を最高の状態にしてサミットに臨んで欲しい。

 最近、日本の総理大臣でも、安全保障や国際問題、経済などについての顧問、メディアコンサルタントなどは持っていることもあるようだが、精神的な支えとなる顧問はお持ちでないようだ。私が知る限り福田赴夫元首相は田中角栄氏に敗れてから都内の禅寺で数日間過ごされ、ご自分を見つめ直し、元気を取り戻したようで玄この際、高僧など真の宗教家を正式に首相顧問に招き、精神性を高め首脳会議に臨まれると成功率も高いのではないかと思う。そして首脳会議が始まったら周囲が動くのを待つのではなく、ご自分がリードする気迫と積極性を持って主張する新しい日本を印象づけてもらいたい。

 今世界の共通の課題として、人権、環境、資源、そして平和と戦争の問題などがある。これらの問題に対し、アメリカやヨーロッパの国々は積極的に働きかけをしている。一方、中国やロシアは加害者の立場でこれらつ問題を極力避け、経済問題だけに、力を注ぐ姿勢を見せるだろう。

 その中で、チベット問題は前に述べた現代社会が抱える問題全てを凝縮したようなものである。福田首相がチベット問題について充分に勉強して臨まれることは日本国の国益にとっても重要であり、チャンスでもあると思う。特に人権問題として、未だに監禁状態にある本物のパンチェン・ラマ十一世を始め、政治犯の解放と釈放を訴えてもらいたい。さらに、中国がダライ・ラマ法王と誠意ある対話を通して真の自治が実現するよう要求して欲しい。チベットにおいてダライ・ラマ法王が望むような真の自治を確立するためには、その基本である民族自決権をも含む連邦制の実現のための民主的な憲法改正を促すベきである。

 現在アジアの独裁国家、ビルマしかり、北朝鮮しかり、その後ろ盾となっているのは中国である。そのことを明確にアピールし、核の拡散に対しても中国の関わりを厳しくチェックする構えを示すことができれば、「主張する日本外交」の姿が明白になり、参加国の賛同をえるばかりか、常に中国の覇権主義に悩まされているアジア諸国からも尊敬されるであろう。

 さらには、日本は中国、インドと肩を並べるアジア地域のリーダーとしての自覚と覚悟を示すことによってロシアを牽制し、アメリカに対しても日本が属国でないことを意識させることができよう。ジェントルマンぶりを発揮する一方で、福田さんならではの真の強さを示し、小渕恵三元首相くらいの粘り強さを印象づけてもらいたい。

 二十一世紀に、新しい日本が世界に充分に存在感を示すことを、心から祈り、工ールを送りたい。

※ 文藝春秋「諸君」(2008年8月号)より転載

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