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2008年7月13日 (日)

中国崩壊寸前! 対談 石平×ペマ・ギャルポ (4)

不動産価値が半分に!

編集部 そこでどうなるわけですか。

石平 一つの心理的影響がありまして、投機をやっている人が、不動産を売りに出す。「南方週末報」という広州で出している新聞が、不動産バブルについてかなり長い論文を出した。その結論は、中国の不動産はもう下がる、曲がり角を過ぎたというものです。
 これからは少なくとも四〇%下がると予測している。四〇%下がるというのはまさにバブル崩壊ですよ。そのあとの情報では、上海の賃貸契約が、前月と比べると、半分以下だそうです。つまり五〇%も落ちた。

ペマ すごい数字ですね。

石平 問題はバブルが崩壊した後ですよ。例えば、食料はどうなるのか。今、インフレが進行しているでしょ。インフレは工業製品じゃなくて、むしろ、穀物、食品の方に来ています。だいたい八%の上昇率です。
 バブルの崩壊で、金持ちの資産が一気になくなります。そして、インフレの高進で貧乏人がご飯を食べられなくなる。そうなれば、社会的不安が大きくなる。まさに、崔大使が言っているように、今までよりもつと激しい変化が起きると思います。
 その時、利用されるのは日本です。胡錦濤たちがやっている対日融和政策の裏づけになりますが、中国は日本に助けてもらうつもりなんですよ。もちろん、そういう場合でも、中国は、日本人に「援助させて頂きます」と言わせるんですよ。

ペマ 本当は、援助する時に中国の民主化を条件にすればいいんですがね。

石平 そうですよ。まず、援助を求めてきたら、一回の援助の代わりに南京大虐殺記念館を閉館しろという。二回目の援助では、中国の教科書の記述を変えてもらう。三回目は民主化、そして、四回目は連邦制……。胡錦濤が、今演説で何を言うかというと、「この大震災に我々は立ち向かった。そんな我々中国人民はもう、どんな困難でも恐れない」。要するに、これからまた、大変な困難が起きるということですよ。今、胡錦濤はオリンピックをやるんじゃなかったと後悔してるはずですよ。

編集部 「中国が今度立ち向かう敵は、民意というモンスターなんじやないか」という書き方をしている雑誌もありますが、人民の民意というのは中国の、国内向けの宣伝で統制できる状態にあるんですか?

石平 言論統制はいろんな手を使うんですね。熱心なジャーナリストを消したり、逮捕したりもやる。だから、今回の大地震も最初から最後まで宣伝の舞台になるんです。彼らにとっても、これからの困難を乗り越えるのは、宣伝をもってするしかない状況ですよ。だから、何度もやる。しかし、逆に共産党の宣伝と、民意との問のギャップがますます広がるでしょうね。その限界点に達すると民意が爆発する。
 インフレもあって、みんなの生活が苦しくなっています。バブルの崩壊で、億単位の市民が財産を失います。四川省の被災者たちも救済されない、失業者は、ますますあふれる。今年は、かなりの大学生が就職できないんじゃないかと思います。
 そうでありながら、宣伝はまだ「我が中国共産党は、素晴らしい、この国はいかに繁栄しているか」ということばかり言うので、どこかで、臨界点が来るんです。いつ来るかわからない。今の中国の情勢は、宣伝でかろうじてもっているということです。すぐ倒れそうな建物を、かろうじて、修繕してるだけの話です。
 宣伝と民意のギャップがそれ以上維持できなくなった時点で、中国は爆発するでしょうね。

ナショナリズムしかない

ペマ でも、一回、狂信的な政府が出来て、今よりも更に、独裁的になるということは、一九六〇年代の中国みたいな感じに戻るということですよね。

石平 要するに、共産党の生存本能でしょう。最後は、自分たちを守るためにね。

ペマ じゃあ、そうなった時に、それをぶち壊すきっかけというのは、どこにあるんですか。

石平 ぐちゃぐちゃになった最後に、この国をまとめるのはナショナリズムです。要するに、ナショナリズムさえ出せば、サンフランシスコから長野まで、海外の中国人をまとめられた。ナショナリズムを出せば、国内の中国人だけじゃなくて、日本の中国人留学生まで、みんなそれでまとまるんです。あの紅い旗の下に団結したんです。最後の切り札はこれしかない。

編集部 じゃあ、また日本が責められますね。

石平 当然でしょう。それしかありません。もし、崔大使が言っている「今までにない激しい変化」が起きた時には、恐らく、ナショナリズムとファシズムが台頭しますよ。結局、彼らはナショナリズムを高めるしかない。しかし、ナショナリズムを余りにも高めると、逆にこれは外に向かって爆発するしかないんです。外に向かって爆発すると、二つの可能性がある。成功するか失敗するかですね。恐らく、まず台湾を攻めに行くんですよ。
 ですが、後はその結果次第です。台湾を見事に取れたら、中国共産党政権は、まだ五十年続きます。彼らにとって、歴史的な勝利、それだけでも、中国人民が、「ハハーッ」ですよ。いくら、経済が崩壊した後でも、みんなをまとめられます。
 でも、もし、これで失敗する、あるいは、最初から、成功する見込みがないという環境を周辺国が作っておけば、それが、ペマ先生が期待されている、内部の改革につながると思います。でも、そのような環境を周辺国が作れるでしょうか? 問題は、アメリカと日本です。ただ、日本が、中国の一少佐によって振り回されるような状況では、ちょっと無理です。

ペマ 先生も私も、中国が連邦制になるのを望んでいます。今、私は中国国民ではないですけど、望んでいます。私とペマさんの望みが叶う条件の一つは、日本が、もっとしっかりすることです。ですから、チベットや中国がよくなるためにも、日本にもっとしっかりしてもらいたい。 (了)

※ 『WiLL』(2008年8月号)より転載

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