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2009年1月21日 (水)

小泉・河野両氏引退に思う

日本を弱め混乱を招来
総選挙で真剣な一票投じよ

 日本の政界は総選挙ムードに入っており、正式に解散されるのを今かと待っている。自民党が苦戦すると報道は伝えているが、確かに前回の総選挙に比較すると議席は減るだろうが、だからと言って民主党が自民党に代わって、第一党になる可能性もメディアの予想通りに行くか疑問である。

 ただ一つだけ言えることは、近づく総選挙を最後にして何人かの経験豊かで国政にとって損失とも言うべきベテラン政治家、野呂田芳成元防衛庁長官をはじめ有能な政治家が議員として自らバッジを外すことに決めている。これは今の日本の危機的状況から考えてみると大変残念なことである。

 しかし、辞めていただいて国のために良かったと思われる方々もおられる。例えば河野洋平衆議院議長、小泉純一郎元総理のように公私混同し、国の政治をめちゃくちゃにし、無責任極まる行動でスタンドプレイばかりしたような方は遅過ぎたかも知れないが、去ることで、せめてもの国家への貢献になると個入的には思っている。

 河野洋平代議士は最後の衆議院議長としての職務にまで個人的な心情を持ち込み、八月十五日の戦没者追悼式典において靖国神社の在り方に言及した。これは私からすると公的地位の濫用であり、ゲリラ的行為であり、議長として議会の何らかの手続きを踏まえているものではなかった。河野氏は村山内閣当時の外務大臣としても、村山談話とともに日本の政治を混乱させるような発言を繰り返してきた。「アジアの近隣諸国との友好」というのが口癖のようであったが、その近隣諸国との対等な関係ができない原因を作っているのは彼の発言にあったように思い、今回政界の第一線から退くことは誠に歓迎すべきことであると私は喜んでいる。

 もう一人小泉元首相に対しては、私は長い間期待をし、注目してきたが、残念ながら自民党を破壊したのみならず、明治維新以来日本の多くの人々が試行錯誤して作り上げてきた様々なシステムを全て破壊してしまったように思う。そして中国や北朝鮮に対しても勇ましいことを言い、挑発的な姿勢を示した割には何一つ毅然とした態度をとれず、結果的には一つの問題を解決するどころか多くの問題を生み出し、そして格好良く投げ出したように見える。

 一部の人たちは小泉純一郎氏は国民の政治への関心を高めたという評価をしているようだが、私は確かに政治をワイドショー化した事実は認めても、国民の健全な政治に対する理解を増すことに特記すべき貢献はしていないように感じる。むしろ郵政問題などを口実に、日本にとって将来有望かつ必要な人材をつぶしてしまった罪の方が大きいように思う。

 私個人的には、本来であればこの二十年間政界を混乱させてきた小沢一郎代議士もこの際、身を退いてくれた方が新たな日本の出発のために建設的な貢献ができるのではないかと思う。いずれにしても選挙が間近になっている上、今度の選挙で日本をもう一度バイタリティーに富んだ、世界が無視できないような国に再建するため、何々党ということよりも政治家一入一人の過去の言動を参考にし、現在の主張を分析し、将来どれだけ貢献し得る実行力と能力を持ち合わせているかを真剣に考えて一票を投じることが不可欠である。

 二大政党の必要性を政治家もメディアも叫んでいるが、二大政党の出現条件として、少なくとも外交と防衛に関しては一致した原点を共有しない限り極端から極端に移行する不安定な政治をもたらすことになり、安心した政権交代はできない。福祉、教育など内政問題に関してそれぞれの政党が競い合うことは当然必要であり、そこで切磋琢磨することは自然であろう。そのような観点から見ると河野洋平氏のような、いわゆるハト派を売り物にしている人物とタカ派の印象を持ち味とする小泉氏が、同時期において三権の長として互いに受け入れられたのは不思議に思う人も国内外に少なくなかったのではないか。

 しかし、そのような奇妙なコンビが実現できたのも、日本の先輩たちの血と汗の結晶としての今日の安定と繁栄のお陰である。だが、これから先はこの二人の行為によって生み出された日本は底力を失い、お二方のようにそれぞれがマイウェイを貫こうとすることによって一つの方向性さえなくす危険性を抱えている。

 今回の米国政府による北朝鮮へのテロ国家指定解除に見られるように、日本を救えるのは日本人のみである。従って日本国民と国家に、真に奉仕できる政治家を選び、日本が世界に奉仕できるようになることが日本の世界的地位の向上にもつながる。新しい時代に相応しいリーダーを選ぶチャンスとして生かされることを心から祈願している。

 聞くところによると民主党は米国の大統領選挙でオバマ氏が勝てばその御利益に便乗しようと考えているらしいし、自民党はそれを恐れているという話もある。いずれにしても一独立国家として米国の選挙の結果が日本の選挙を左右するような、主体性の無い選挙だけは避けなければならない。

※『世界日報』(2008年10月29日付)より転載。

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