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2009年3月28日 (土)

チベットー闇に葬られた五十年 半世紀の苦難語り対話を強調

ダライ・ラマ14世の甥が講演

 一九五九年のチベット民族蜂起から今月で五十年を迎え、「チベット自由人権日本百人委員会」主催の講演会「チベットー闇に葬られた五十年」が十六日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷・私学会館で開かれた。ダライ・ラマ十四世の甥でチベット亡命政府議会議員のケドゥープ・トゥンドゥップ氏が来日講演し、半世紀に及ぶチベット人の苦難や当事者としてかかわってきた中国政府との対話の経緯などを語った。

21_03_24  トゥンドゥップ氏は父親がダライ・ラマ十四世の実兄で、三十年前に始まったチベットの代表団と中国政府との対話に最初期から参加している。同氏は、一九七九年の会談で当時の中国指導者・鄧小平氏が「独立以外の何事も話し合いで解決できる」と語った事実を紹介。しかし後に数回の対話を経て、ダライ・ラマ側が中国の憲法内で要求したチベットの非武装地帯化や伝統文化・宗教の維持などの諸間題が改善されないことや、昨年中国政府が七九年の鄧小平氏の発言を撤回したことに憂慮を表明。国際社会の圧力による「対話のための対話」ではなく、現実的成果を生む対話の必要性を強調した。

 また近年は青蔵鉄道の開通に伴い大量の中国人がチベットに移住していることにも触れ、「チベット人が最も恐れているのは自国の中で少数民族化されていくこと」と指摘。「九九%のチベット人は今もダライ・ラマ法王を支持し、帰りを待っている」と述懐するとともに「チベット人には民族自決権をもって自分たちの将来を決める権利がある」と主張した。

 さらに「中国の人民にダライ・ラマ法王の考えを知ってもらうことが大切」と述べ、今後十年間には問題解決に向けた多くの機会が生じるとの見方を示し「皆さんの継続的な支援が必要」と訴えた。当日はこのほか、第二次大戦下のチベットの貴重な未公開映像を収めた映画「チベット、消し去られた風景一九四二─四三」も上映された。

 同委員会は昨年発足したチベット支援団体で、国会議長・総理大臣経験者、現役の国会議員・地方議員、学者、僧侶、ジャーナリストなど二百五十人以上で構成される。

※『中外日報』(平成21年3月24日付)より転載。

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