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2009年6月29日 (月)

チベット問題を身近に考えるためのQ&A

Q 2009年はチベット動乱50周年といいますが、50年前に何があったのですか?

A 私たちは動乱ではなく、蜂起と呼んでいます。ダライ・ラマ法王を拉致しようとする「中国人民解放軍」への反発や、中国統治に抗議するチベット民族による大規模デモが発生し、中国が武力で鎮圧。ダライ・ラマ法王とともに8万人のチベット人がインドヘ亡命しました。チベット弾圧に対する民族決起を行ってから、2009年で50周年になります。

Q チベット国外へ亡命した人数は?

A 第14世ダライ・ラマ法王のインド亡命に伴って8万人が祖国を逃れ難民になりました。現在までに13万人前後が亡命し、17万人ほどのチベット人が、心ならずも海外で暮らしています。中国の悪政によって命を落とした人は、直接・間接的に120万人を超えています。

Q 北京五輪の聖火リレーヘの抗議は何のために行われたのですか?

A 北京五輪を政治的に利用しようとした中国に対する抗議です。平和の祭典という表向きの顔とは別に、中国政府によるチベット支配を既成事実化しようという意図がくみとれたために大規模な蜂起へと発展したのです。加えて、チベットのパンダやカモシカなどをオリンピックのマスコットとしたことも、チベット人の心情を害したのです。

Q チベットは過去にも中国に侵略されていたのですか?

A チベットは日本と同じくらい長い歴史を持っています。王による統一国家を形成したのは、日本の大化の改新の頃、7世紀のことです。1949年に中国が侵略するまでチベットは独立国家だったのです。もちろん、チベットが中国を侵略し、傀儡政権をつくったこともあれば、中国がチベットを侵略したこともありますが、チベットを物理的に支配したことはありません。

Q 中国から伝わった仏教がチベット仏教になったのですか?

A インドから直接伝わった仏教が基本となって、チベット仏教になりました。中国の仏教とはかなり違います。モンゴル帝国と清帝国の皇帝が共にチベット仏教の信者であった時代もありました。

Q チベット人は少数民族といわれていますが、人ロは?

A 人口10億人を超える漢民族(一般にいう中国人)と比較すると、それより少数という意味では少数民族かもしれません。しかし本来チベットの人口は600万人もおり、北欧の諸国と同規模の人口を有しています。世界的に見てもチベット民族は少数民族ではないのです。

Q チベット自治区周辺に暮らす少数民族とは?

A いわゆる中国政府が認める少数民族とは、チベット、モンゴル、ウイグル、回、チワンなど、55~56の民族がいるとしています。これは民族浄化のカモフラージュであり、チベット、ウイグルなどを細分化し、あたかもたくさんの民族がいるかのように見せかけているに過ぎません。

Q チベット族の暮らしぶリは?

A チベット族ではなくチベット人です。格差、差別を受け経済発展の恩恵を受けることなく、これまで続いてきた遊牧や農業のみで生計を立てるのが難しい状況を余儀なくされています。子どもたちは満足な教育も受けられず、同化政策として中国語の教育が行われ、「中国で教育を受けるため」という理由で連れ去られる子どもまでいます。はっきり申し上げれば、植民地支配が行われ、実質的には占領支配下にあると捉えるのが正しいでしょう。

Q 青蔵鉄道の開通でチベットにも経済発展があったのでは?

A 実はチベット人の中にも、多少の経済的な豊かさをもたらしてくれるのではないかという期待はありましたが、結果的にはその反対で、大量の中国人が押し寄せて物価が上昇し、生活は圧迫され、そしてチベットから地下資源をはじめ、多くのものが運び出されているのです。また鉄道ができたことで、中国軍と工作人の活動が容易になり、チベットの同化政策をより促進し、核ミサイルをはじめとする軍の設備強化と増強に貢献しています。まさに「百害あって一利なし」です。

Q 日本ではチベットの悲劇が永く伝わらなかったのはなぜですか?

A 日本の報道は、中国に過剰に配慮した物の見方=報道をしていると思います。北京五輪聖火リレーの騒動によってチベットの実情も報道されてはきましたが、中国側に立った報道が大多数を占めていたために、永きにわたりチベット問題が見過ごされてきたのです。長い間、中国が被害者的立場で日本を加害者扱いし、日本のマスコミも過剰な配慮から自粛傾向にありましたが、幸い2008年3月の報道は、世界的なレベルに上がったと思います。

Q チベット人が真に求めているのは独立ですか?

A ダライ・ラマ法王は「独立ではなく真の自治」を望んでいらっしゃいますが、国外へ亡命した若い世代を中心に「独立」を強く訴える者もいます。いずれも(1)ダライ・ラマ法王の下で、(2)非暴力的に、(3)中国の不当な支配を拒否する、という点では一致しています。

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