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2010年1月13日 (水)

天皇陛下の政治利用に怒る

中国は日本の宗主国か
序列6位の習氏に会見圧力

 旧臘(きゅうろう)、日本も中国の宗主権下に入ってしまったのか、と一瞬思わせるような小沢一郎氏が率いる630名からなる大名行列の朝貢訪問を見て思ってしまった。小沢民主党幹事長は本業である国会での議論を12月4日までに短縮させ、130人の国会議員を同行させて中国へ行き胡錦濤国家主席の前で日本国内では見られない、ふにゃふにゃニコニコした顔を見せていた。

 また、日本国内の問題であるはずの参議院選にまで言及し、自分を人民解放軍の現地司令官に例えて正に中国共産党の支配下にある人民解放軍の一部でもあるかのような表現を軽々しくしていた。次の選挙に勝たなければという国会議員1人1人がまるで高徳の、御利益をもたらす高僧と会ったような顔をして一人一人が胡錦濤氏と握手し記念撮影を撮る中、せこくて我の強い議員は恥ずかし気もなく右手で握手をしている胡氏の左側に廻って再び写真とテレビ画像に入り込もうとして、関係者から野良犬を追い払うような仕草で追い出されていた。

 このような方々は日本国民であること、日本国民によって選ばれたことを忘れ、まるで宗主国の皇帝に拝謁するような言動に異常性を感じない人は逆におかしいのではないかと私は思った。

 また帰国後、宮内庁長官のクビを要求する小沢氏はおだやかな神様が憤怒尊に変身したように見えたが、勿論愛に満ちた憤怒ではなく、自分に楯突く奴は許さんという権力に酔ってしまった独裁者の顔そのものであった。小沢氏は天皇陛下の政治利用に対して質問した記者に向かって君は憲法を読んだことがあるのかと逆切れしたり、宮内庁長官にはそんなに反対だったら職を辞してから発言すべきだと言って、目下を叱るような口調で暴言した。その一方、今回の中国国家副主席習近平氏の天皇陛下への拝謁(新聞では会見となっているが)について「30日ルールって誰が作ったの? 知らないんだろ、君は。法律で決まっているわけでも何でも無いでしょ、んなもの。君は日本国憲法を読んでるかね。ふん、天皇の行為はなんて書いてある?」と言って怒りを露わにし、自分は関与していないと強く否定していたが、その言葉とは裏腹に態度や雰囲気からはまさに私がやった、私がやってどこが悪い、今この国で私が一番偉いと言っているような感じさえ受けた。

 私は小沢氏こそ憲法と日本国の歴史を読み直した方が良いのではないかと正直に思った。何故ならば天皇陛下は日本国民の総意に基づいて象徴となられ、国家国民の最高の権威であって政党政治や私利私欲を超越したところにある存在である。また日本は2000年以上の歴史を持ち、皇統は125代続いている歴史と伝統に基づくものであり、この慣習慣例は成文化した法律に近い効力をもって人々の言動を左右する計り知れない力を持っているはずである。

 日本では習副主席を勝手にナンバー2と決めつけたり、次期主席として勝手に辞令を出しているが、現在の中華人民共和国の権力の序列においてはあくまでも第6位であって陰の実力者などを入れればその第6位以下にもなる。しかも副主席イコール次の主席というのも全くの不確実なものであり、その良い例が彼の前任者であり、今はこれという中枢の地位にいないことからもわかる。勿論ナンバー2になって、その後、逆に失脚した人の例もいくつかあることも忘れてはならない。現在中国国内においては習副主席のライバルも当然存在するので正に天皇陛下を中国の国内の政治闘争の泥沼に巻き込ませる政治的悪利用に他ならない事件であった。

 マスコミなどに出ている事実関係を総合的に分析し判断するしかないが、中国側は自民党出身の元首相経由で謁見を試み、また鳩山氏も一度は宮内庁に打診したものの諦め、日本国外務省も外交的手順に従って正式に今回の謁見は難しいというように伝えたにも拘わらず、それを180度ひっくり返させられたことや、小沢氏訪中の時期ならびに天皇陛下の韓国訪問を計画していることなど総合的に見ると、小沢・鳩山コンビは天皇陛下を最も効果的に活用するための政治の道具としか考えていないように思うのは私だけだろうか。

 小沢氏の暴走と鳩山首相の迷走を食い止めるためには、次の参議院選でそのような結果を出して、権力に酔いしれている小沢氏を正気に戻させるしかないと思う。あくまでも民主主義国家日本においてはその主権は国民の手にあって、その国民の総意に基づいた天皇陛下は最高の権威であり、その権威を政治的利害で濫用すること、また侮辱することは国民そのものを愚弄することにつながることを意識して選挙にかかるべきものと考えるからだ。

 中国は自ら建国60周年祝賀行事を大々的に開催したばかりで、今や膨張の過程にあり一部の日本人が言うような4000年の歴史や輝かしい伝統など継承しているどころか、常に領土拡張、覇権ばかりを目指している国であることはチベットや周辺諸国を見てもわかるはずである。日本が同じ運命に遭わないことを心から祈っている。

※『世界日報』(2010年1月6日付)より転載

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