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2010年2月23日 (火)

日本再起への祈願(上)

 本来であれば我々東洋人は二月前後に正月を祝うので少々ごあいさつが遅くなったが、皆様にとって新年が素晴らしい年であるようまずお祈り申し上げたい。

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 新聞などを見ると、日本は国のトップの権力者たちの政治資金の問題や、新しい政権であることによる混乱などで国内外において不安な一面も覗かせている。しかし私が見る限り、これらはすべて心の問題に関連しているように思う。

 日米関係においても、私は新政権がアメリカとの関係を軽視したり、あるいは日米衷心の基本姿勢を日中中心へと大きくシフトするような国家戦略はないと思う。

 しかし一方、総理大臣がリーダーシップを発揮できず、一政党の幹事長が不当に政治的介入をしたり、大臣たちが場当たり的な発言をしたりすることで、不必要にアメリカなどの信頼を損ねていることも事実である。

 そのためか新内閣は百日を過ぎないうちに支持率が低迷するという異常な現象が起きている。

 それにも関わらず半世紀近く政権を担当してきた自民党も再起への強い意欲を示すような注目すべき活動もせず、人材もいない。

 そのような中で、長い間、日本国の国旗を背負って日本の顔として世界の空を飛び回っていた日本航空(JAL)が、破産申告という屈辱を味わっている。

 これらの現象は、私が日本に来た四十年前にあった、東京オリンピックを境にした前向きなムードと、日本人が誇りとしていた恥の文化・義理人情の文化がいつの間にか希薄になってしまったことに、その要因があるように痛感する。

 私は、日本航空と日本国の状況は大して変わらないように思う。

 日本航空は依然として潜在的力があり、世界の航空会社としてはむしろ黒字路線を走っている。しかし国のフラッグキャリアであるという特別の環境の上にあぐらをかき、世界一の航空会社になる夢を捨ててしまっていた。それまでの権威と国がバックにいることを盾に細部への努力や本来のサービスを軽視し、新しい試みに伴う冒険や危険を恐れてきた姿勢に問題があるように思う。

 日本国にしても、過去二十年間、世界第二位の経済大国であることに甘んじて第一位になる夢を捨て、財源を無視してやたらに国債を発行して、選挙民に迎合するようなばらまき政策に終始し、何らかの努力や工夫を避けてきた姿勢は、日本航空とあまり変わらない。

 ある経済専門家は、日本航空は赤字で破産したのではなく、資金のやりくりが出来なくなったからだと指摘していて、国の経済政策もこれに似ている。

 ただ違いは、国は国債を発行できるのに、日本航空は勝手に偽札を出すわけにいかないことだ。また政治資金の問題にしても、法律上の理屈以前の問題として、国民の模範となるべき政治家たちのモラルの問題、言い換えれば恥の問題であると認識している。 (続く)

※『向上』(2010年3月号)より転載。

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