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2010年6月 4日 (金)

アジアのリーダーは誰か?

 日本は屈辱的敗戦を機にそれこそ昭和天皇の御言葉通り、「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」国の復興に向かって国家一丸となって努力し、わずか25年でその目標を達成し、ジャパニーズ・ミラクル、つまり日本の奇跡を起こした。本来奇跡とは人間の力を超え神のなす業である。日本は経済、長寿、技術などあらゆる面で世界のトップに立ち、自他ともに認めるアジアのリーダー格に返り咲いた。国民総中流階級といわれる程に貧富の差も少なく医療福祉も充実し、安全で安心して暮らせる国として多くの発展途上国の模範となった。しかしバビロニアの塔を完成し、神を恐れなくなった王と民のように日本の「公益」「民族意識などの様々な族意識」「国益」よりも「個人主義」と「非民主的な自由主義」を是出し、「私利私欲」をも肯定する社会へと移転し、弱肉強食の競争社会作りに荷担し、バブル経済という幻想の世界に突入した。本来民主主義とは野放しの自由に対しルールを決め、それを守ることで社会秩序を維持し、自由に責任を伴わせるものである。永遠に続くと思われた世界は泡と消えたが、20年もの間日本を再び現実の世界に目覚めさせ、現実的な政策と明確なビジョンを示した再びアジアと世界をリードするような国民的な指導者も政党も出現しないまま、気まぐれなマスコミによって一時的に過剰な期待を寄せられた政治家や政党も現在では泡のように消え、日本はもはやアジアのリーダーと認めている国々もないまま多額の経済援助を約束することでかろうじて国際会議でメンツを保っているのが現状である。
 一方、アジアのリーダーとして台頭し脚光を浴びているのは中国とインドである。アメリカは数年前からインドを無限の可能性が潜む国として位置づけ、日本の大使館員を減らす一方でインドの館員を大幅に増やしている。東京駐在の外国人特派員もインドや中国に拠点を移している。特に中国重視の傾向が著しく、吉田外務政務官が嘆くように、十カ国以上で中国大使が兼務する現象が起きている。長期に渡って日本の駐在大使が他国をカバーすることは珍しくなかったが、今それが逆転している。これはまさに日本の現状を映し出す鏡のように思う。 
 インドの原子力の平和利用に関してもアメリカ、ロシア、フランスなど主要国のみならず韓国までが大統領自ら売り込みにインドへ参上している。このような日本の状況を憂い、なんとか日本の低迷を救いたいという動きが民間や政界からも現れている。
 その一つは民間外交推進協会が主催し3月29日都内のホテルで行われた「FEC日印原子力フォーラム」である。平日にもかかわらず200を超える各界の方々が参加した。日本から直嶋経済産業大臣、駐日インド大使が来賓として挨拶し、インドの前石油大臣で上院議員のマニ・シャンカール・マイヤール氏が基調講演を行い、インドの前外務次官で政策通として対米問題、エネルギー問題で偉業を成し遂げ最近まで首相の顧問を務めたシャム・サラン氏、続いて政務官、日本からは日本エネルギー経済研究所専務理事・十市務氏、経済産業大臣政務官・近藤洋介氏、日本電機工業界原子力国際化対応特別委員長・吉村真人氏という日本のエネルギー関連の重鎮たちが参加した。
 日本は出遅れ気味ではあるがインド側からの評判と評価は好調だったように思う。二つ目は日本の再建を目指し六人のサムライが立ち上がり新党を結成した動きである。この方々は経験、実績ともに誰が日本の総理大臣になっても不足は無い。世論は政策などをみないうちに年齢のことを問題視しているが私は別に体力で勝負するわけではないので十分に注目する価値があり、特に志があっても迷っている政治家達がこの方々の主張に耳を貸すことは日本の再建と国際社会における確固たる地位を獲得するのに有益であると信じている。

※『政界往来』(2010年6月号)より転載

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