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2010年8月20日 (金)

南アジアとエネルギー問題

今、南アジアがエネルギー問題で世界の注目を浴びている。最近インドはロシア、フランス、ドイツ、アメリカなどに次ぎ、カナダと原子力平和利用に関する協力関係が出来るようになったと報じられている。

また一部の報道によると日本との交渉も始めているが、日本は原則論にこだわる外務省と、現実的に行動している経産省など政府内においても統一見解が充分に出来ていないような印象を受ける。

これはおそらく原子力エネルギー問題に限らず民主党政権の政策における統一性が薄いという政権担当政党としての経験不足などを露呈している一面である。

インドのみならずパキスタンも積極的に核エネルギーの開発に力を入れている。

パキスタンのアシーフ・アリ・ザルダリ首相は2008年首相の座についてから既に5回も中国を訪問しており、中国政府から二カ所の原子力発電所建設への協力をとりつけた。

この頻繁な訪中が物語っているよろに、中国とバキスタンは極めて近い関係にあり、パキスタンの核開発そのものもほとんど中国に依存していると言っても過言ではなく、まさに核拡散の一面を見ることが出来るような気がする。

インド、中国、バキスタンの三角関係にアメリカを加え、今後も南アジアは色々な意味で注目すべき地政学が展開すると見ている。

日本の新聞には近々インド首相の特使がこの問題で来日するようなことを記していたが、私の感触では、インドの方から今になって日木に頭を下げて協力を要請してくるようなことはありえない。

インドはブライドが高く、核実験までにいたっては当初当てにしていた国々から協力要請を拒まれたた苦い経験を持っており、ほぼ100%独自で成功したことを誇りにしている。それに加え上記に述べたような日本以外の、主要各国も既に、協力を約束したりして関わってきている。

日本の広島市と長崎市のの関係者が、最近外務省を訪れ、インドヘの協力をしないように嘆願したらしい。勿論あの悲劇的な核の被害を受けた地域の住民としては当然のことである。

だが前回も述べたように、現実のN国環境、特に新興国として飛躍的な発展を遂げ、アジアの大国として再度台頭してきている中国とインドとの接し方は、地政学的・戦略的に捉え、日木とアジアの平和と安定を考慮しながら現実的な対策を講じ、日本国の長期的利益にかなうものにしなければならない。

日本の政府が今の時代を的確に捉え、状況を正確に分析し、時にはいわゆる世論にも振り回されないような知恵と決断を要求されている。時代は刻々と進んでおり、日木を待ってくれるものではない。日本は1970年代以来、約30年問中国と深く関わり、そてのメリットとデメリットを充分に知りつくしたに違いない。また東南アジアに関しても冷戦時代を通し深く関わってきた。

そして今こそ南アジアと健全で建設的な閃係を構築する為に南アジア全体を包括的に捕らえ、同地域の発展と平和に寄与すると共に、日本国の現在と未来に続く英断を下す勇気と知恵が必要ではないだろうか。

※『政界往来』(2010年9月号)より転載。

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