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2011年5月17日 (火)

石原東京都知事に期待する


政府は指導力を借りよ
国難に望まれたリーダー牲

 4月14日の統一地方選で東京都民は時代を認識し、現実的な選択をした結果、石原慎太郎都知事が見事に4選された。私は正しい判断をした東京都民に対して敬意を表するとともに都知事に紙面を借りて心からお祝いを申し上げたい。再選の要因は色々あると思うが私は特に国難に際し、都民即ぢ国民がダイナミックで経験豊かなリーダーを望んでいたからではないかと思う。
 国家を家庭に例えるならば父親的な存在で家族を思い、家族のために良いと思うことは行い、たまには厳しいことも言う。国家のリーダーも父親的な気持ちで国民を思い、国を憂い世論に迎合することなく国民と国家にとって良いと思うことを行い、その方向性を示していくような存在が最も今の世の中が必要としているのではないかと思う。本来であれば私は知事には再度国政へ復帰し、この厳しい状況を切り抜くため首椙になってもらうことがこの国のためであると思っていた。しかし、状況に反応し時代の求めに応じることも優れた指導者の運命であるのかもしれない。

 家族の中においては家長の選挙はない。父親がいちいち家族のご機嫌を取る必要もないが、もちろん家族が一丸となって父親が示す方向へ進むためには十分な説明を行い、納得してもらってから一丸となって前進することが最も理想的である。幸い石原知事は作家という職業柄もあり都民、国民に対する説明能力は十分にあり、しかも飾り気のない言葉で常にご自分の考えを発信されている。恐らく都民もこの真意を理解し、今回の結果になったのではないかと思う。

 それに比べると大変表現しにくいが、今回の被災地の首長や政治家の中には必ずしも建設的な意見というよりメディアや世論を意識し過ぎているような発言も見受けられる。例えば、東京電力の社長との面会を二度も拒否した某政治家の姿勢も発言も私はあまり建設的に受け止めることは出来なかった。過剰にメディアを意識した言動が醜く見えた。
 今は誰が悪い、彼が悪いと言って責任転嫁するよりも関係者が会って知恵を絞り、まず第一に現状の改善、第二に今回の体験を生かし、いかに亡くなった方を含めてその犠牲を無駄にしないための教訓を生かす方法を考え、第三にこの国難を乗り越えるだけでは無く、いかにこれを発展的なものに繋げていくかということを考えるべきではないか。
 私は報道系の番組に出演中のNGOの方の発言も政治家たちに似通っていることに、無責任で済まない身勝手さのようなものを感じる。確かに政府の対応にも東京電力の対応にも理想通りとは言えないものがあるが、懸命に取り組んでいる方々、特に命懸けで現場で対応している人々や、寝る時間もなく情報収集し、伝達に神経を使っている人々の身にも少しはなるべきだと思う。
 今回の震災は大変なことであり、悲しいことであることは誰もが分かっていることで、大切なことは国、地方行政、国民そして世界までがそれぞれの立場でこの現状を少しでも改善できるよう努力しようとしており、またそうしなければならない時期ではないか。私が今回の事件を通して真剣に考え、いくつか反省に基づく新たな提案事項を紹介したい。
 第一に菅直人総理は石原慎太郎知事に対し、兼職の形で副首相格を与え、この事態に対応する大臣としてお迎えすること。私は知事の性格からも党利党略や私利私欲で行動することなく、国のことを思い、国のために全力を投入し、この国難を乗り切ってくださると思う。第二に議会は外国からの侵略や戦時だけの対応ではなく、自然災害などで国が国難に陥った時の非常事態宣言や戒厳令などについて法整備を急ぐこと。第三に日頃から高校・大学生を中心とした青年に対し自発的に入隊できる義勇青年警備団を組織し、元自衛隊員や元警察などが教官を務め、非常事態の時に備えて治安維持及びある一定の軽武装などもできるような組織を総務省と防衛省、文部科学省の管轄あるいは協力のもと結成すべきだと思う。
 インドには1948年からNCCという組織ができており、私が少年時代の中印戦争、印パ戦争の時は多くの若者たちが自発的に参加し活躍した。この組織は、ある面でボーイスカウトなどにも似通っているが、一番違うのは祖国のため、いざ必要あらば命を賭ける覚悟を参加者が持っていることである。またこの青年たちの中には軍隊や警察に入隊する人も少なくなく、国からも優先権を与えられている。彼らは警察や軍隊が不在、不足の場合、その役割を担うため日頃から訓練されており、精神的にも肉体的にも交通整理、治安維持や非常事態における誘導、そして防衛に関する最低限度のトレーニングを受けているため即戦力となる。
 私の提案についての詳細は、これから機会があれば今後も具体的な提言をしていきたい。最後に知事の益々の活躍と日本国の早期再起および再興を心からお祈りしたい。

※『世界日報』(2011年5月4日付)より転載。

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