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2013年7月22日 (月)

☆書評☆ ペマ・ギャルポ著『日本の危機!中国の危うさ!!』(あ・うん刊)

 日本では、中国が尖閣諸島の領有を露骨に主張して領海・領空侵犯を繰り返すようになってから、離島や周辺洋上の「平和」が確かなものではないと動揺が広がった。それどころか著者は、日本がまるごと中国に支配されかねないと危惧してきた。祖国チベットを中国に侵略された経験から、狙ったら諦めない中国共産党の戦略戦術によって日本は「第二のチベット」になる恐れありというのだ。

 一方で著者は、既に日中の経済関係は拡大し、交流も盛んになり、環境問題などでは中国も日本を必用としていると訴える。ただし、今の日本のままで中国を相手にしたら、してやられるとの懸念を率直に伝え、中国の危険性を熟知したうえで、何を準備し、どう対中外交を進めるかを提唱した。

 気になる尖閣問題では、「中国漁船の領海侵犯からすべてははじまる」と、ベトナムの西沙諸島占拠、フィリピンの南沙諸島占拠のケースから中国の常套手段だと指摘し、深刻な段階とわかる。また、「棚上げ」との中国の提案は、「相手を油断させておいて、ある日すべてを奪い取る準備を積み重ねること」と解説。

 中国は、チベット、ウィグル、インドのアクサイチンなど建国以来、領土的版図を拡張しており、目指すところは中国「2050極東マップ」に載された、西日本の「東海省」、東日本の「日本自治区」だという。

 領土問題では、中国はまず強く出て、相手国が抵抗しなかったり譲歩すると入ってくるパターンが指摘されているが、日本が「平和憲法」で国防を怠り、妥協での解決を繰り返せば、地図は塗り替えられるだろう。

 ゆえに、拡張する中国に対抗するには、日本人が敗戦後の他国依存の意識を改め、武士道など日本が近代化と発展を遂げる背景となった精神を復興し、国を守るため憲法改正など改革を進め、他のアジア諸国、特にインドとの連携を強めていく方向を著者は説く。本書は見方を変えれば、どう安全を確保して騙されないで中国と付き合うかの処方箋である。 (窪田伸雄)

※『世界日報』(2013年7月14日付)より転載。

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