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2014年6月

2014年6月26日 (木)

(177) チベットの英雄、改革者プンツォク・ワンギャル氏逝去

[解説] 2014年3月30日に92歳で亡くなったプンツォク・ワンギャル氏。チベットの改革­者、共産主義者、愛国者の波乱の生涯。ペマさんとの関係について。※2014年5月2­4日収録。

※ペマさんへのご質問はこちらのアドレスにお送り下さい。→ pema_gyalpo@rfuj.net

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(176) 非武装中立と憲法9条

[解説] スウェーデンの武器輸出のニュースから非武装中立国と平和について。日本の憲法解釈と­憲法改正。※2014年5月24日収録。

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2014年6月16日 (月)

(175) ウイグルの事件とその背景

[解説] ウイグル地域で続発する爆破事件について。※2014年5月24日収録。

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(174) インド総選挙とモディ新首相

[解説] 2014年5月のインド総選挙について。モディ新首相と日印関係。※2014年5月24日収録。 ※ペマさんへのご質問はこちらのアドレスにお送り下さい。→ pema_gyalpo@rfuj.net  ・テーマ曲 愛する父母よ DRENCHEN PHAMA (Beloved Parents) ソナム・ギャルモ

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暴走中国 その覇権主義的本質 5

もくろむ安倍首相の孤立・弱体化
親中議員やマスコミの洗脳を解き

日本は断固立ち向かえ 

 中国による当面の対日工作は、まず史実的に立証されていない「南京大虐殺」や「慰安婦問題」などの問題を喧伝して、日本のイメージダウンを図ることである。同時に、安倍晋三政権下で軍国主義が復活しようとしているという「偽りの恐怖感」を煽り、日本を孤立させることだ。
 世界的に反日運動を展開する「世界抗日戦争史実維護連合会」はよく知られている。最近、米国各地で慰安婦像を設置している韓国系反日団体などと連携を強めている。
 日本国内では、従来の親中派議員や財界人、ジャーナリストを総動員して、1960ー70年代のように、自民党などの保守陣営に接触している。日中国交正常化前後の日中関係の再現を謀り、安倍首相の孤立・弱体化をもくろんでいる。
 
自主憲法で力強い国を再建

  旧来からの日中友好団体に加え、新たな民間団体が「平和と友好」を掲げて、日本の宗教団体や資金の豊富な財団などと、さまざまな名目での学会やシンポジウム、フェアなどを開催している。ここでも、「日中友好の妨げは安倍政権」との洗脳を試みている。
  実はこの民間団体は、中国人民解放軍と強い結びつきがある。そして、沖縄にターゲットを絞って、自民党や沖縄県の関係者に近づき、深く入り込んでいる。中国軍は東アジアの海洋覇権を握るため、沖縄を「第2のチベット」にしようとしているのだ。
  こうした動きに対し、日本はただ呆然(ぼうぜん)と成り行きを見守るのではなく、断固として中国に対峙する姿勢を示すべきである。中国が成長したとはいえ、日本人の想像以上に中国の日本に対する依存度は高い。日本が毅然とした態度で臨めば、時が味方になるはずだ。
  安倍政権の「積極的平和外交」「戦後レジームの脱却」路線を貫くことは、日本の独立を守り、他国の侵略を防ぐために重要である。国民は安倍首相を支持し、国益に害を与えるような政治家や団体には、厳しい目で監視・批判すべきだろう。
  日本の弱点は、自虐的歴史認識の下で、過度な罪悪感を抱いて真実や現実から目をそらす偽善者が多いことだ。日本人にはなかなか理解しがたいようだが、中国に通じる言葉は正義でも真実でも、謝罪の言葉でもない。彼らが理解できるのは「力」のみである。今日本がやるべきことは、自主憲法に基づく力強い国の再建である。
  一方、中国の潜在的脅威は、国内における汚職問題、根強い政府への不信、軍閥、地方閥、民族問題、共産主義下のご都合主義的資本主義の矛盾など慢性病である。
  日本人はこれらを認識したうえで、媚びへつらいの外交から、主体的外交に転換すべきだ。日中両国が時代にふさわしい対等平等な関係を築いてこそ、ともにアジアの発展と世界の平和に寄与できるだろう。

※『夕刊フジ』(2014年5月24日付け)より転載。 

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暴走中国 その覇権主義的本質 4

祖国のために立ち上がる学生、民衆
アジア諸国が台湾、タイから学ぶこと

「内政干渉は断固阻止」

 中国はアジア各国に内政干渉を行っているが、少なくとも台湾とタイでは、その謀略が、良識ある学生や市民によって見事に阻止されている。
 台湾では今年3月17日、学生と市民らが立法院を占拠した。決起の直接の理由は、台湾と中国のサービス分野の市場開放を目指す「サービス貿易協定」の批准を阻止するためであった。
 馬英九総統と国民党の指導者らは近年、中国共産党とよりを戻すような動きを活発化させていた。中国は経済をエサに台湾への影響を強めていた。台湾人の多くは「できれば独立したい」と思っているが、現実的は現状維持で妥協している。ただ、中国の一部になることは拒んでいる。
 今回の「太陽花学運」(=ヒマワリ学生運動)と呼ばれる社会運動の真の目的は、中国政府が4月16日に出した「両岸関係の平和的発展のプロセスを破壊し、妨害するものだ」という談話が最も正確に表現している。まさに勇敢な学生と市民は、祖国を守るために立ち上がったのだ。この事件後、馬総統の支持率は10%台に落ちている。
 タイでは昨年11月25日、政権反対派(=黄色シャツ軍団)が政府の主要機関を占拠した。インラック前首相率いる政権が、実兄であるタクシン元首相らに特赦を与えようとしたことに反発したのだ。
 タクシン氏復帰に抵抗したのは、中国政府がタクシン氏を媒体として、タイの国体にまで干渉しようとしたことに危機感を覚えたのである。黄色シャツ軍団は「救国」にとりあえずは勝利し、インラック氏は失職した。
 中国の習近平国家主席の〝家臣〟のように成り下がった韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の運命も、韓国国民の覚醒にかかっている。このように、アジア各国では祖国を「中国の魔の手」から救うため、国民が立ち上がって闘っている。

日本国民も積極的な政治関与を

 日本では、安倍晋三首相が積極的に「日本再建」と「平和的安定」のために健闘している。外国の不当な内政干渉を突破して靖国神社に参拝をしたのは、日本の自主独立を表現している。安倍首相は日本国民の豊かな生活と伝統文化だけでなく、日本人としての誇りと自信を取り戻すという、偉業に臨んでいる。
 主権在民(=国民主権)においては、政府を批判する権利だけでなく、支持する義務も伴う。高みの見物をしている余裕はもはやない。日本を取り巻く環境は極めて厳しい。国民一人ひとりが、積極的に政治に関与することが日本を危機から守ることになる。

※『夕刊フジ』(2014年5月23日付け)より転載。

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暴走中国 その覇権主義的本質 3

諸悪の根源・中華思想

 世界の主要都市で来月4日、中国の天安門事件25周年に合わせて、集会やデモなど、さまざまな行事が行われる。私も1989年6月4日のあの衝撃的大虐殺事件の真実を、世界の良識ある人々に知ってもらうことが大切だと考えている。これまでも、中国人の民主活動家たちが主催するイベントに、時間の許す限り参加してきた。中国人でない私が一貫して協力してきた理由は、まず、人民解放軍に踏みにじられて殺された人たちは、勇敢で純粋に自由を求めていたと思うからである。そして彼らが掲げる自由と民主主義は普遍的な尊い価値であり、それに連帯の意思表示をするためだ。
 天安門事件の犠牲者の正確な数は、いまだにはっきりしていない。中国当局は死者319人と発表しているが、それを信じている人はほとんどいない。西側の専門家や中国の民主活動家らによると、死者は6000人から1万人、負傷者が2万人から7万人である。中国政府当局が真実を隠し続ける限り、本当の犠牲者の数を把握することは難しい。
 事件発生当時、世界中の国々が中国に対する経済制裁を発表し、政府のODA(政府開発援助)を停止または凍結して、中国の残虐行為を批判した。当時の中国民主化運動のリーダーたちも、次から次へと釈放されて海外に出た。
 しかし、時とともに各国の政府も世論も変わっていった。
 海外脱出に成功し、一時的に脚光を浴びた民主化リーダーたちも、主導権争いから相互不信に陥り、離合集散を繰り返し、内部闘争に励んでいる。その間、中国共産党は経済的、軍事的、政治的に独裁の基盤を強め、国内では武力による支配を、国外に対しては軍事力による覇権を狙い、周辺諸国の平和を脅かしている。
 80年代後半、私は中国の民主活動家たちと何度か議論を交わす中で、彼らの語る自由と民主主義は単に、現政権打倒のための方便に過ぎないのではないか、という疑問を抱くようになった。

中共犠牲者3800万人推計も

 『中国の民衆殺戮』(パレード)を執筆したハワイ大学のR・J・ラムル教授の推計によれば、共産党による中国人犠牲者は3800万人で、国民党の犠牲者は1000万人とされている。マルクス主義による解放と革命を約束した毛沢東の共産党独裁も、自由と民主主義をスローガンにした蒋介石の軍事独裁も、権力闘争の道具としての看板が違うだけで、中国が世界の中心という中華思想は同じだった。
 中国の民主化運動を応援することは大切であるが、それが法治の下の個人の人権、民族自決権、国家の主権を尊重するものでなければ、毒入りのワインボトルのラベルを変えるだけのことになりかねず、諸悪の根源である中華思想の増長を助けることになりかねない。

※『夕刊フジ』(2014年5月22日付け)より転載。

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暴走中国 その覇権主義的本質 2

沖縄を第二のチベットに
経済効果をエサに県政財官界を〝洗脳〟

 2年前、沖縄県に仕事で行く機会があった。その際、財界を中心に多くの県民が、中国にある種の「甘い期待」を抱いているような感じ、心配になった。ホテルや店舗も、中国語の表記やアナウンスが目立っていた。
 中華人民共和国は建国以来、次から次へと近隣諸国を侵略し、現在の広大な領土を手にした。
 領土拡張主義国家の手法は、相手国に潜伏し、洗脳し、攪乱(かくらん)させ、分断を図り、最後に武力で侵略を完成させる。自国の侵略行為を正当化するために、歪曲(わいきょく)した歴史を根拠にするのが常套(じょうとう)手段だ。
 中国は以前から、「琉球(沖縄)は中国の領土である」という教育を行ってきた。そして、最近、中国の学者や元軍人などが「琉球は1300年代から中国に朝貢し、中国の宗主権下にあったなどと強弁している。
 習近平国家主席と若いころから付き合いがあるとされる、中国軍事科学学会の羅援副秘書長(元少将)は昨年5月15日、中国のニュースサイト、中国新聞網で「琉球(沖縄)は台湾列島の一部。つまり、中国の一部であり、絶対に日本のものではない」と発言した。
 ちょうど同じ日、沖縄で「琉球民族独立総合研究学会」という団体が発足したのに合わせるようなタイミングだった。同学会は、琉球の日本からの独立を目指しているという。
 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は翌16日、この学会について詳しく取り上げ、「中国の民衆は(同学会を)支持すべきだ」との社説を掲載した。
 「琉球の独立を支持すべき」という文言は、かつての「米帝国主義からチベットを守る」というチベット侵略の口実に似ている。中国が沖縄の財界などに大きな期待を抱かせている点も、毛沢東主席の「チベットの近代化を手伝いにきた」というセリフに似ている。
 中国が経済的効果などをエサに、沖縄県の政財官界や有識者らを洗脳しつつあることに、多くの日本人は気付いていない。私は強い危機を覚える。
 日本政府は、沖縄県を訪問する中国人には数次ビザを発給するなど、入国条件を緩和している。自国への入国者を24時間体制で監視し、無数のチェックポストを設けている中国と違い、日本はいったん入国すれば全国どこへでも行ける。これは「トロイの木馬」と同じで、危機管理上、極めて深刻な問題であると認識すべきだ。
 
米軍を追い出すことは東アジア海洋覇権を握る第一歩

 中国が海洋国家に変貌して、東アジアや西太平洋を制するには、尖閣諸島、沖縄を制することが重要であり、急務である。中央・南アジアの覇権のために、チベットの制圧が不可欠だったのと同じだ。
 沖縄県民の反基地感情をあおって、沖縄から米軍を追い出すことは、中国が東アジアの海洋覇権を握る戦略の第一歩だ。そして、次にチベット自治区のような「琉球特別自治区」をつくることを狙うだろう。チベットの悲惨な現状を、日本国民、特に沖縄県民には教訓にしてもらいたい。

※『夕刊フジ』(2014年5月21日付け)より転載。

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暴走中国 その覇権主義的本質 1

領土野望と虐殺実態

緊急告発

 最近、ある方から「中国は本当に沖縄県・尖閣諸島を奪いに来るだろうか」と聞かれた。私は即、「それは日本次第でしょう」と答え、さらに「日本が弱腰な姿勢でいたら、尖閣だけでなく沖縄全体も奪うでしょう」と付け加えた。
 チベット出身の私は7歳の時から中国と戦い、それはいまだに終わっていない。チベット亡命政府の発表によると、これまでに約120万人のチベット人が、蜂起や処刑、拷問死、獄中死などで命を落とした。私は、中国の領土拡張の野望と覇権主義の実態を、身をもって知っている。
 日本人はよく、「中国は大きい」というが、それは大きな勘違いだ。大きく見える中国の63%は本来、私の故郷・チベットや、東トルキスタン(ウィグル)、南(内_モンゴルなどである。チベットの面積は約240万平方㌔で、中国全体約940万平方㌔の約4分の1を占める。
 中華人民共和国が誕生した1949年、人民解放軍は東トルキスタンを侵略し、翌年にはチベットに侵入した。55年「ウィグル自治区」が成立し、10年後の65年に「チベット自治区」が成立した。
 中国は、チベットを、チベット自治区と青海省、四川省、甘粛省、雲南省などに分断し、分割支配している。いまだに暴力行政を行い、言論、思想の自由などを奪い、人間としての尊厳さえも踏みにじっている。
 毛沢東主席は53年、チベットのダライ・ラマ法王に対して、「チベットの改革・解放が完了したら、人民解放軍は引き上げる」と約束した。

チベット分割支配 暴力行政、監視、言論自由奪う

 しかし、中国は現在も約25万人の軍をチベットに駐屯させ、ほぼ同数の公安警察や武装警察、住民の数ほどの隠しカメラを配備・設置して、チベット人を監視している。ウィグルも同じような状況だ。そこに自治は存在しない。チベット自治区のトップである共産党委員会第1書記にチベット人が就いたことはない。
 中国の胡錦濤前国家主席はチベット第1書記時代(88〜92年)、無慈悲、無差別な大量虐殺に関与したといわれる。スペインの裁判所が昨年10月、この件について訴えを受理している。
 ここで強調したいのは、中国がチベットやウィグルなどの本格的支配を始めたのは、わずか約60年前ということだ。そして、チベット人やウィグル人たちは、いまだに精神的に屈服することなく、必死に抵抗を続けている。

民族問題は中国のアキレス腱

 「政治犯」として獄中生活を強いられたチベット人は、拷問や虐待を受け、医療や食事もまともに与えられないという。罪状は冤罪といえるものが大半とされ、ある歌手は独立の歌を歌った罪、ある者は焼身抗議(自殺)を奨励した罪、ある高僧は証拠もないまま武器を所持し隠した罪に問われた。
 チベット亡命政府によると、チベットでは4月16日までに、2009年2月27日から数えて131人目の焼身抗議者が出た。彼らのほとんどは「ダライ・ラマ法王の帰還」「チベットの団結」「チベットの独立」を叫んでいる。インターネットに動画があるので、命をかけた訴えを見てほしい。
 民族問題は、中国のアキレス腱になっている。中国の実像は、日本人が思うほど大きくも、安定もしていない。
 中国は現在、南シナ海のパラセル諸島やスプラトリー諸島で、ベトナムやフィリピンの領有権主張を無視して、「力による現状変更」を試みている。中国が覇権主義国であり、領土拡張主義国であることは、チベットやウィグルを見ればよく分かるはずだ。

※『夕刊フジ』(2014年5月20日付け)より転載。

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