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2016年2月

2016年2月25日 (木)

(247) チベット問題 アジアの水資源と環境破壊、加速する中国の民族浄化政策

[解説] チベット問題について。下流の国々に影響するチベットの環境破壊と中国の覇権主義と民

­族浄化政策。※2016年1月15日収録。

※ペマさんへのご質問はこちらのアドレスにお送り下さい。→ pema_gyalpo@rfuj.net

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2016年2月17日 (水)

中国 習政権の野望にどう立ち向かうか

  皆さんこんにちは。きょうは奥野先生の非常に重要な勉強会で話す機会をいただきまして、心から感謝しております。
  私は、来年の12月で日本に来て50年になります。その間に四十数年間、学生時代から 先生のご尊父様にもお世話になり、そして今日までこうやって日本で生活できるのも、ある意味ではご尊父様のおかげでもあります。日本は海外から、難民に冷たいとかいろいろ言われておりますけれども、ご存じのょうに先生のお父様は難民救済活動をしてくださって、現在日本には1万人以上の難民が生活しております。そして毎年その人たちを集めて励ましの集会もやっていただいております。ただ、日本が難民をたくさん受け入れていると言うと、近くの国々から偽装難民がたくさん来る可能性もありますので、余り大きい声で、私たちは日本からそういう恩恵を受けているということを言えないのが非常に残念だと思っております。
  それと同時に、私個人的には、奥野誠亮先生は日本の国会議長になると、ずっと子どものときから思っていて、なるのが当たり前だと思っていました。しかし、最終的にはなれなかったんです。それは私からすると、自民党のいろんな方々がどこかの国に対して気兼ねをしているからであります。どこかの国に気兼ねして自分の国の政治ができない国は、主権のない国家と同じです。そういう意味で、奥野先生のためだけではなくて、日本という国が自分の主権を主張できないというところが非常に残念だと思っております。しかし、きようの話は内政問題ではなくて、中国のことを特に話すようにということを先生からご指示いただいていますので、これから少し中国の話をしたいと思います。
きようの中国の話は、3つに分けて話をしたいと思います。まず1つは、中国、少なくとも現在の中華人民共和国という国の体質というか性質というか、それについて話をしたいと思っております。2番目に、中国を中心とする世界情勢が今どう変わったかということと、最後に、日本はどうすべきかということを私なりに話をしたいと思います。ただ、これは全て私個人の責任において話すことであって、決して奥野先生と事前に相談したことではありませんので。奥野先生の勉強会ですから問題ないと思いますけれども、もし問題があったら、全て私個人の責任ですので、そこは間違わないようにお願いします。

  中国の歴史は100年に過ぎない

そこで、まず中国についてですけれども、何よりも私が日本にいて一番気になるのは、日本人が中国に対して抱いている幻想であります。きよう多分この会場には70歳以上の方々もいらっしやると思いますけれども、わずか70年前、 皆さん想像してください。日本人はよく、「中国は広い」と か「中国5、000年の歴史」とかおっしゃいますけれども、本当にそうでしようか。モンゴルは、日本が先に来たのです。日本が満州国という非常にいい国をつくつたから、自分たちのほうから進んで日本に来てもらいました。その後、蔣介石が1947年にモンゴルを侵略して自治区にしました。それを追認したのがス夕ーリンです。1955年、東トルキスタンを侵略しました。そして自治区にしました(新疆ウィグル自治区)。1965年、チベットが中国の自治区になりました。
  確かに日本は中国と戦っております。中国の領土で戦っております。しかし、日本の皆さん、誰かチベット人を殺しましたか。殺していないと思います。なぜならば、チベットは主権国家だったから、中国の戦争に行く必要がなかったのです。それだけでも日本人がちゃんと考えていただければ、現在、広い広いという中国は、あの940万平方キロメートルのわずか37%が中国であり、残りは全て他民族、他国であります。チべットだけでも中国の25%を占めているのです。240万平方キロメートルです。
  また、日本の皆さんは、「中国は5,000年の歴史がある」 とおっしゃいます。あの大陸の歴史は5,000年あります。中国の歴史は5,000年ありません。中国という名前がついたのは1911年、中華民国ができてからです。それ以前は、逆からいくと、例えば清朝はモンゴル人が中国を侵略してつくった国です。中国がモンゴルを侵略したのではありません。その前の明は確かに中国の王朝です。しかし、その前の元は、モンゴル人が中国を侵略してつくった国であって、中国がモンゴルを侵略してつくった国ではありません。ですから、どこから「中国5,000年の歴史」などという発想が来るのかわかりません。

    日本は、アジアと戦ったのではない

  同じく、日本の方々が大きな誤解をしていることがもう 1つあります。日本はアジアに迷惑をかけた、アジアと戦ったと思っていらっしゃいます。本当ですか。違いますよ。 日本は、例えばインドのコヒマとか、そういう領土で戦ったけれども、それは英国軍のインド人です。無理やり英国に連れていかれたインド人です。自由意思のインド人は、日本とともに戦ったのです。ビルマもそうです。英国人の命令で、英国の軍隊として戦った人はいます。しかし、 自由意思のビルマ人は、アウン・サン・スーチーのお父さんたちは、日本とともに戦ったのです。途中から変わりました。フイリピンもそうです。インドネシアもそうです。そうやって考えてみると、フランス軍と戦ったベトナムは、ベトナム人が最初から自発的に日本と戦っていないのです。これも日本人の大きな勘違いです。

  中国政府の本質は、領土拡張主義にある

  ですから、まず中国について申し上げますと、1947年、モンゴルを侵略した蔣介石も、その後のチベットやウィグルを植民地にした毛沢東も同じです。彼らは政権が替わっても指導者が替わっても、根本的に領土拡張主義は変わっていないのです。そして周囲の国々に対して、自分たちがかつて間接的、直接的に一度でも影響力を及ぼしたところは全て自分の領土であるという概念は変わっていないのです。ですから、日本では、例えば鄧小平に対して陳雲は強硬派であって、鄧小平は改革派だとか、李鵬に対して江沢民と区別したり、そういう余計な期待を持つのです けれども、それは彼らの権力闘争であって、中国の根本的な政策には全く関係ないのです。
  きょうは時間の関係でいきなり今の習近平のほうにいきますけれども、その中国を皆さんごらんになってください。皆さんが広いと思っているのは、全部日本が戦争で負けた後です。日本が負けた後にあんなに広くなったのです。そして彼らは、共産主義政権を助けてくれた、共産主義政権のスポンサーであり先生であったソ連とも戦ったのです。それも領土問題で戦いました。
  戦後、1947年にィンドが独立し、49年に中国が中華人民共和国になって、一時、新しいアジアのリーダーとして、そして「平和五原則」の名のもとで、兄弟分の契りを交わしたネールと周恩来。しかし、1960年代に中国はインドも侵略しました。今でも640万平方キロメートルの領土を中国が取ったままです。同じ共産主義者のベトナムに対しても、領土問題で戦争しました。つまり、アジアの中では自分が一番だ、自分がアジアを支配すべきだという中国のDNAは変わッていないということを覚えておいていただきたいと思います。

  近代化に進む中国を侮るな

1970年代においては、中国は長い内戦、革命戦争、その後は文化大革命などで経済はほとんど破綻寸前でありました。実際私は、1980年に3力月間中国へ 行きました。まだそのとき北京には、いわゆる北京の迎賓館というか、北京飯店しかなかったのです。私たちは 国民招待所というところに泊まりました。そのときはまだ女の人は化粧なんか許されていませんでした。そして街には自転車とほこりしかなかったのです。
そのとき日本は、中国は50年も遅れているというようなことをおっしゃっていました。日本で、ある民族派の勉強会に行きました。そうしたら、私の前の講師の方が、我々日本人は優秀である、どこそこの国とどこそこの国みたいに馬鹿じやないとおっしゃいました。しかし、その国が、1977年、鄧小平が3回目に復帰してから、いわゆる「4つの近代化」を掲げ、日本よりもある意味では早く近代化に成功しました。私はそのときの勉強会で、前の先生が、私の聞き違いでなければ、日本人は優秀であって、どこそこの国とどこそこの国の人は馬鹿だとおっしやったけれども、私はそういうことをおっしゃるのが馬鹿だと思いますということを申し上げました。
日本人が優秀であるということは世界中がわかっていたのです。なぜかというと、あの戦争でほとんどが廃墟と化した後、わずか20年で日本は自分の国を立て直しただけではなくて、アジアの国々を助ける立場になりました。そして1970年代の後半から80年代、世界中が日本に注目をし、「日本の奇跡」とか「ジャパン・アズ・ナンバーワン」 とか、100冊以上の日本研究の本が出ました。それだけでも日本人が優秀であるということは間違いないのです。 「必要は発明の母」というように、人々は苦難に直面すると優秀にならざるを得ない部分があると思います。
最近、日本の軍事の専門家とか自衛隊も、中国は日本より20年くらい遅れているから、我々のほうは大丈夫とおっしゃっていますけれども、私はそれもちよっとどうかなと思います。なぜかというと、この20年間あるいは30年間、中国の経済力、軍事力、そして発言力はどんどん増しております。特に中国は「4つの近代化」以来、海軍、空軍に力を入れております。海軍、空軍に力を入れるということは、ただ海軍、空軍にお金を使っているわけではありません。目的があって使っているのです。戦略があって使っているのです。

 

アジアでの軍事大国化を進める習近平

その中国は最近、皆さんご存じのように習近平になってから、軍の改革、そして軍の再編成をしております。今まで中国は7つの軍区がありました。これを5つにし、そして今までは党と政府それぞれの中に軍事委員会というのがありました。この軍事委員会の主席が事実上、同時に国家主席でもありました。しかし、今までの軍事委員会だと、特に陸軍が強いのです。だから、習近平は新たに連絡協議会みたいものをつくって、そこも自分が主になって、そして自分が気に入った将軍たちを常務書記みたいな形で使って、軍の統率、統一を図っております。
  1990年、ソ連の崩壊とともに、アメリカが一番強い国 になりました。しかし、それも長くは続きませんでした。世界各国で、韓国で、フィリピンで、日本で、アメリカの軍は要らないといぅ運動が起きました。どこがそれをリモコン式に操作しているかはともかくとして、現実問題として、 アメリカのほうもそんなに感謝もされないんだったら引き揚げようということで、フイリピンから引き揚げました。引き揚げたらどうなりましたか。すぐ中国が入ってきました。そして韓国から3万人、日本から8,000人の軍人を引き揚げる。
  アメリカは今、経済が低下しただけではなくて、モラルも低下しました。かつては、少なくともアメリカの人たちは、自分たちは世界のために、自由のために戦っているということを信じていました。しかし、そのアメリカは今現在、半分以上はアジア、アフリカ、あるいは隣国からの移民です。この人たちにとっては、アメリカの建国の理念などは関係ないのです。彼らは、少しでもお金を儲けて、少しでも楽な生活を求めて来ている人たちです。かつてヨーロッパ大陸から渡ってきた、自分たちは神様から選ばれた人だという使命感を持った人たちではないのです。ですから今、アメリカが世界のあっちこっちにお金を使うこと、また自分たちの子どもが他の国のために死ぬことを支持する人が少なくなりました。
  一方、中国はどうでしょうか。少なくとも1945年、日本が戦争に負けてから今日まで70年間、反日教育をしてきているのです。それはただ単に日本が憎いというだけではないのです。彼ら自身の国民に対して、いろんな不満とかそういうものをそらすはけロが必要です。もう1つは、常に自分たちの夢、共通の夢が必要です。その共通の夢は何か。彼らからすると、祖国が一番繁栄したときに、間接的、直接的に影響を及ぼした全ての領土を回復することによって初めて中華帝国が完成するということです。彼らはそれを遠大な夢として、みんな受け継いできています。そのために中国は、1972年に日本工作会議というのをやりました。その日本工作会議は、日本を最終的には共和制にし、そして天皇制、特に当時、昭和天皇にさきの戦争の全ての責任をとってもらって処刑すべきだというのが彼らの考えでした。そのときの第二次日本工作会議の資料はまた皆さん別のところで、国会図書館でも調べていただければわかりますけれども、全部あのシナリオのとおりに今までやってきております。
最初は、まず中国のイメージをよくしよう。日本と仲よくすることが大事だ。そのためには、民間交流、民間外交を一生懸命やる。それからスポーツに関しては、例えばわざと負けてあげることも必要だ。そしてマスコミのコントロールの仕方についても細かく書いてあります。そのとおり中国はやっております。
中国にとって、条約というのはただ時間稼ぎの1つの手段にすぎません。日本の場合には、条約、紙にサインしただけではなくて、ロで約束したことまで縛られるのです。 河野談話、村山談話、福田ドクトリン、そういう自分が勝手に約束したことで自分を縛るのです。憲法9条もそうだと思います。先ほど奥野先生はスイスについておっしゃられましたけれども、スイスは、世界的に自分たちが中立であることを認めさせて、そして中立を保ち、しかも全ての国民は年に1回軍事訓練を受ける、そういうことをやっているからできるのです。日本国憲法は、世界人権宣言と国連憲章と、ある意味でセットとしてでき上がりました。 しかし、それが完成して間もなく朝鮮戦争が起きて、現に アメリカ自らがあの憲法を無視するような形で、日本に自衛隊をつくるように協力を要請してきました。
  今、日本の周りに中国は240万人の軍隊を持っております。300万人の公安部隊、武装警察を持っております。そしてミサィルの数は、あと5年すればアメリカよりも多くなるんじゃないかと言われております。もちろん空母もつくって、向こうのほうから近くまで移動できるようになりました。潜水艦もたくさん深化できるものをつくっております。それによって今、アジアの国々はみんな怖がっています。しかし、単独で中国と戦える国はありません。ですから、みんな、どこかが頑張ってくれないか、頑張つてくれるとしたらどこだろうといったときに、日本、あとはインドです。ですので、今、中国がどんどん 攻めてきている。
  例えば、中国は力し 信用していないと思いま す。皆さん、新聞をちよっと調べてください。先ほど奥野先生がおっしゃった集団的自衛権、たしかまだ国会では通ってなくて、 ただ内閣が決議しただけで、日本の領空、領海を侵すことが一時とまったの す。最近になってまた中国からいろいろ、李先念の娘、鄧小平の娘、ああいう人たちが来て、自民党の長老たち、古賀先生とか野中先生とかああいう方々に、我々のお父さんたちがあんなに頑張ったのに、今、安倍に全部壊されるのはもったいないですというようなことを言って、そして周りから圧力をかけて自民党の中で安倍先生をなるべく孤立させ、世界的 には慰安婦問題、南京大虐殺問題、きちんと法に基づいて調べたら何の立証もできないような、実態のないようなものに対して、あたかもそれが真実であるかのようなキャンぺーンを張ってやっているのです。
  ですから、ミサイルを発射する、あるいは飛行機から爆弾を落とすことだけが戦争ではありません。ある意味ではもう戦争は始まっているのです、日本の中に孔子学院をつくって。今アメリカではやっと気がついて、シカゴ大学、 ペンシルベニア大学は孔子学院を追い出しています。しかし、日本では今むしろ勢いがついています。同じように中国の大使館員の証言として、少なくとも日本には2,000人 の工作員がいるということです。そしてその工作員の人たちは、もちろん国を売る人は日本人にはいないと思いますけれども、自分自身気がつかないうちに利用されている人が日本国内にたくさんいるのです。

   

中国は力を第一に考える

  中国は1972年にやっと国連に入りました。皆さん、中国は多民族国家だ、中国は56の民族がいると言うのですけれども、あの根拠は何でしょうか。根拠はないのです。ただ、国連ができたときに52カ国だったから、それよりも多くつくろうということで無理に56の民族をつくったのです。そのときに中国は、我らこそ国連であるということを言うために。そういうふうに中国は芸が非常に細かいのです。
  私の個人的な意見では、中国という国を、どこか地図上にはさみで切るようにして無視はできないのです。少なくとも13億の人間があそこにいることは事実です。そしてアメリカの次ぐらいの軍事力、軍隊を持っていることも事実 です。そして何よりも一党独裁ですから、右向けと言えば 右を向きやすいです。そういう統率力があるのも事実です。ですから、中国を軽視したり無視することは決してよくないと思います。では、中国が理解できることは何か。 それはあくまでも力だと思います。そしてその力というのは、もちろん経済だけではありません。例えば人間同士が話すときも、歴史的にも向こうが攻めてきたらこっちも反論できるぐらいの力を持っているかどうかだと思います。

   

世界に広がる中国の工作

  中国は今、アジア各国に中国語の若いボランティアの先生を送つております。表向きはみんなボランティアです。実際上は全部、民族統一工作部の工作員です。彼らの世界戦略は、外交、防衛あるいは民間の教員とか、例えば日本に華僑教師会というのがあります。昨年あたりまで日本に七十何名かの教授がいるのです。そしてその人たちは 教授会をつくっているのです。主権国家日本の中において、彼らは定期的に中国の大使館からいろんな指示を受けています。勉強会をやっております。
  習近平はますます中国の中において権力を集中化し、独裁政治をさらに強化しております。一番最初、彼がぶつかった壁は公安部でありました。なぜ公安部か。それは 1977年、鄧小平が復活したときに、まだ鄧小平には壁がいっぱいありました。楊尚昆あるいは王震、陳雲という、彼らが言う第二世代の革命をやった人たちがまだ健在だったのです。そして軍は彼が思うようにできなかった。楊兄弟が軍をほとんど牛耳っていました。そこで、彼は新たに公安部をつくりました。そして軍隊から100万人の人たちをそこに移しました。しかし、彼がつくった公安部、最初は自分の基盤としてつくったけれども、それをそのまま江沢民が継承しました。そして江沢民はそれを自分のベースにして、やがて300万人以上の武装警察にして、国内のさまざまなテモを抑え始めました。中国当局が認めているところでも年間200万件ぐらいのデモがあるわけですけれども、それらは今、ことごとく武力、暴力を使って鎮圧しております。
ある意味では、あの国はいつ爆発してもおかしくないような国です。貧富の差があります。軍閥があります。中の権力闘争があります。それと同時に、今、経済も、日本は中国から追い出されたら困ると思っているのですけれども、実際の中国の経済は、アメリヵ、日本、韓国、台湾の投資がなかったらどうにもならないのです。経済もある意味ではモザイクみたいもので、日本を追い抜いてGDP第2位の世界大国になったといっても、13億5000万人の人たちに 平均で幾ら収入があるかというと、下から数えたほうが早いのです。きれいな水を飲めない人たちがまだたくさんいるのです。同じ中国の中でも、都会では身分がない人たちがまだたくさんいるのです。人間として存在しても戸籍上存在しない人たちが、中国政府が認めたところでも 5,000万人、実際は1億人以上いるのです。二重の国家権力、党と政府、二重の経済、闇の経済と表経済、 そしてまた、「黒人」といって、事実上存在するのに存在しない人たち、この矛盾を中国は抱えているのです。だから、中国の一番の敵は中国自身です。中国の矛盾です。それをいつも助けているのが日本だったりアメリヵなんです。

   

本当の世界を知らない中国指導部

現在の中華人民共和国の7名の政治局常務委員は、外国の留学、短期留学は行っていますけれども、1人しか本当の世界を知らないのです。周恩来とか鄧小平の時代にはフランスに行ったり、それから李鵬たちの時代にはソ連に行ったりしていました。今の彼らは、私と同じ世代の人たちです。習近平は、私と同じ1953年6月生まれなんです。しかし、私が日本で勉強している間、彼は田舎に追い出されて、そして毛沢東語録だけ持って、あとは畑仕事をしていたのです。こういう人たちの世界観というのは私たちの常識のようなものはないと思います。1911年10月、習近平は、いつでも戦争できるような体制に入りなさいという指令を出しました。それは、彼が軍事委員会の主席になってから最初の大きな指令だったと思います。ですから、基本的には中国はいつでも戦争できる体制をとっているのです。
  その後、例えば日本の領海などにも入って、多分、脈を見ています。日本がどう出るか、そして世界世論がどう反応するかということを見ながらやっていると思います。その間にたくさんの中国人が、自分たちの親戚、恋人などを外国に送り、どんどんお金を外国に持っていきました。クリントン元国務長官は、2017年には今の中国は存在しないだろうと言っていました。なぜかというと、金持ちがみんな逃げているからです。
  その中国は今、強い国に対しては非常に低姿勢で出ております。そして、「行ける」と思うところに対しては強く出ております。幸いにして、アジアにおいては、1つは台湾ですけれども、台湾の学生たち、若者が立ち上がって、中国は今回だけは経済的に統合するようなことを失敗しました。なぜ中国がそれに乗り出したか。それはアメリカが許しているからです。アメリカは、さきの防空識別圏のときも、副大統領が中国まで行って、一応形の上だけ抗議をしたのですけれども、実際上は新しい大国として中国を認めたのです。そしてアジアにおいては、アメリカと 中国が大国であると、それに元気づけられて、中国は、香港に対しても台湾に対しても挑発的に出てきました。 しかし、台湾においては、幸いにして若い人たちと学生が それを阻止しました。
  香港においては、香港を返還するとき、向こう50年間は一国ニ制度をとり、そしてそれまでの全ての制度を尊重 するということを書いているのです。これはチベットのときもそうです。チペットを中国が併合したときに、1951年、17条条約でも同じことを書いています。しかし、自治を尊重するなどという ことは、そのとき既に破っているから、英国がそれを期待したがおかしいと思うのですけれども、それでも英国と中国の国家間の約束です。国際的な約束です。しかし、それを今回破って、全人のほうで中国の行政長官は北京政府が選んだ人たちの中からマルバツ式に選びなさいということで、今、学生たちは 一生懸命頑張っております。
  世界中が、中国はどう出るかと言っていますけれども、それは世界の注目次第だと思います。世界が無関心でいれば 天安門事件と同じ運命になるでしょうし、世界が注目していれば多少妥協するだろうと思います。しかし、妥協したとしても、普通の選挙をやらせるということは しないと思います。せいぜい行政長官の首を切るぐらいでおさめるようにすると思います。中国は今、夜中に学生のリーダーたちをつかまえて引っ張っていっています。そして最終的には、もしかしたらにせの学生の指導者と話し合いをする可能性もあります。そういうことができるのは、ああいう共産主義国家だからです。

※「奧野信亮と明日の日本を語る会」(平成26年10月20日)での講演録

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(246) 慰安婦問題の日韓合意

[解説] 2015年12月28日の日韓合意について。※2016年1月15日収録。

※ペマさんへのご質問はこちらのアドレスにお送り下さい。→ pema_gyalpo@rfuj.net

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(245) インド モディ首相のパキスタン訪問について

[解説] 昨年12月25日のインドのモディ首相のパキスタン電撃訪問。シャリフ首相との会談、­印パ関係の改善について。※2016年1月15日収録。

※ペマさんへのご質問はこちらのアドレスにお送り下さい。→ pema_gyalpo@rfuj.net

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